受精卵を2個戻す方の割合について

- update更新日 : 2023年05月26日
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患者さまから、時折「卵を2個戻した方がいいですか?」とか「受精卵の2個戻しを、どう思われます?」
といった質問を受けることがあります。

日本産婦人科学会では、生殖補助医療における多児妊娠防止に関する見解として、
「生殖補助医療の胚移植において、移植をする胚は原則として単一とする。ただし、35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立にあった女性などについては、2胚移植を許容する」
とあります。
しかしながら病院によって、原則単一胚移植しか行わない病院と、必要に応じて2個胚移植を行う病院と別れてくるようです。

当院で、平成30年9月末時点で、47名の方がご懐妊されています。
そのうち34名の方が体外受精で授かっておられます。
そのうち11名の方が、受精卵を2個戻されております。
ほとんどの方は、病院側の勧めもあって2個戻しを決断されているようです。

ある病院の先生に、「卵を1つ戻した場合、妊娠の確率は20%、2つ戻した場合30%」と言われた方がおられました。
またある病院の先生に、「凍結してある卵のグレードが良くないので、3つ戻したい」と言ったら「2つ戻すのも、3つ戻すのもあまり確率は変わらないから、2つにした方がいいですよ」と言われた方もおられました。

病院の先生によって、いろいろ見解が違うことがあります。
ご通院中の病院の先生の、最も自信があるやり方で治療をしていただくのが、一番よろしいのでは、と思います。

一人目妊活の方は、「双子ちゃんでも可愛いから歓迎です」という意見もよく聞きます。
しかし二人目妊活の方は、さすがにお子さんが一気に3人になることを想定されていないようで、慎重になられるようです。

ちなみに、当院でご懐妊された47名の方で、双子の方は一組もおられませんでした。

 

●●↓令和5年5月26日追記↓●●
当院で令和3年・4年でちょうど200名の方が妊娠されています(延べ人数)
そのうち体外受精(顕微授精含)で、妊娠された方は157名おられます。
さらに2個胚移植して妊娠された方は、35名です。
その中で双子だった方は、2名おられます。
2個胚移植されて双子になられた方の割合は、約5.7% となります。
他に1個胚移植で、双子だった方が1名おられます。
200名中、双子だった方は3名となり、妊娠された方全体としては、約1.5%となり、厚労省の2017年多児出産割合の約1.04%に比べ、ほんの少し多めだったかな、と思います。
詳しくは、厚労省「多胎児支援のポイント」を、ご覧ください。

2人目妊活の方で、お1人目を帝王切開で分娩された方は、必ず1個胚戻しを言われるようです。
また、クリニックによって「子宮は1人分」というお考えから、2個胚移植はしない、というクリニックもあるようです。