受精卵を2個戻す方の割合について
患者さまから、時折「卵を2個戻した方がいいですか?」とか「受精卵の2個戻しを、どう思われます?」
といった質問を受けることがあります。
日本産婦人科学会では、生殖補助医療における多児妊娠防止に関する見解として、
「生殖補助医療の胚移植において、移植をする胚は原則として単一とする。ただし、35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立にあった女性などについては、2胚移植を許容する」
とあります。
しかしながら病院によって、原則単一胚移植しか行わない病院と、必要に応じて2個胚移植を行う病院と別れてくるようです。
当院で、平成30年9月末時点で、47名の方がご懐妊されています。
そのうち34名の方が体外受精で授かっておられます。
そのうち11名の方が、受精卵を2個戻されております。
ほとんどの方は、病院側の勧めもあって2個戻しを決断されているようです。
ある病院の先生に、「卵を1つ戻した場合、妊娠の確率は20%、2つ戻した場合30%」と言われた方がおられました。
またある病院の先生に、「凍結してある卵のグレードが良くないので、3つ戻したい」と言ったら「2つ戻すのも、3つ戻すのもあまり確率は変わらないから、2つにした方がいいですよ」と言われた方もおられました。
病院の先生によって、いろいろ見解が違うことがあります。
ご通院中の病院の先生の、最も自信があるやり方で治療をしていただくのが、一番よろしいのでは、と思います。
一人目妊活の方は、「双子ちゃんでも可愛いから歓迎です」という意見もよく聞きます。
しかし二人目妊活の方は、さすがにお子さんが一気に3人になることを想定されていないようで、慎重になられるようです。
ちなみに、当院でご懐妊された47名の方で、双子の方は一組もおられませんでした。